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2020.01.22 知られざるみりんの世界


知られざるみりんの世界のイメージ

多種多様なみりん

「みりん」と一言にいっても、さまざまな種類があります。例えば「純米本みりん」と呼ばれるものは、糖類などの副原料を使わず、伝統の醸造方法でつくられたもの。また「本みりん」のもち米が醸し出す風味、コク、甘みは日本料理には欠かせません。さらに伝統的なみりんの働き方を追求し、調理効果を高めた「みりん風甘味調味料」や、料理用のために加塩発酵した調味料「料理酒」は、材料を柔らかくする効果や、魚や肉の臭みを消す効果にも優れています。

本みりんとみりん風

本みりんは、もち米、米麹、醸造アルコール(焼酎)から造られた醸造調味料です。アルコール分が13,5〜14,4パーセント含まれているため、酒税が課せられています。一方みりん風調味料は、水あめを主原料とするアルコール分1パーセント未満の甘味調味料。糖分は前者が約40パーセントに比べ、後者の方が55パーセント以上と高くなっています。

みりん造りと2つの焼酎

本みりんを醸すには、焼酎が欠かせません。使用されるのは、戦後からの工業的な製法で用いられる「甲類焼酎」と、日本の伝統的な手法による「乙類焼酎」の2つ。甲類焼酎はとうもろこし・さとうきびなどを原料とした発酵液をもとに、連続蒸留器で蒸留し高度エチルアルコールを生成、さらに加水したもの。乙類焼酎は、米、麦などを原料とし、単式蒸留器で蒸留して造る焼酎。1回のみの蒸留のため、原料本来の風味やうまみ成分が残っていることが特徴です。

みりん風調味料の利点

伝統的なみりんより、調味効果を高めた甘味調味料である「みりん風調味料」。本みりんに比べ、料理に必要な甘み、てり、つやの効果が高く、多くの糖分を含みます。アルコール分が1パーセント未満のため、煮切る必要なく、ごまだれや酢みそなどの合わせ調味料をつくれる上、アルコールの反応の恐れのある赤ちゃんやアレルギーの方にも適しています。

みりん粕で漬けもの

ぬか漬けをつくる際、毎日床を混ぜなければいけませんが、「野菜漬けの素」と呼ばれるみりん粕漬け(みりんを造る時に出たみりん粕を使い、つくる)は、その必要がありません。なぜなら、ぬか床は混ぜて酵素を送ることで発酵を促し、漬物ができあがるのに対し、みりん粕漬けの場合、浅漬けのように漬けこみ、野菜に本みりん粕のうまみ成分を浸透させるから。ただしぬか床を混ぜてしまうと、乳酸菌が腐敗させる可能性があるので注意。

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