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2020.01.21 醸造の原材料 佐用のもち大豆


醸造の原材料 佐用のもち大豆のイメージ

もちもちとした甘い大豆

味噌などを醸造するには、大豆の質も重要。播磨には「佐用もち大豆」という、佐用町のみで生産されている在来種の大豆があります。その名の通り加熱した時のもちもち食感が最大の特徴。一般的に流通している品種と比較すると、約3割も重い大粒です。ショ糖をはじめとした糖質含量が高く、甘みの強さも印象的。同じような「もち大豆」は鳥取県や岡山県にも存在しますが、栽培はごく一部。厳格な種子管理を行い産地として栽培を継続しているのは、ここ佐用町のみなのです。

佐用町の土壌と大豆づくり

佐用町は、周囲を山に囲まれた千種川水系の盆地にあるエリア。川とその支流に沿って広がる耕地には、川砂が混じった水はけのよい土壌が、湿害に弱い大豆の生育に最適でした。また昼夜の寒暖差も大きく、「佐用のもち大豆」の登熟期にあたる9月から収穫される12月までで、10度以上の温度差があります。そういった土地の特性が、粒数の確保と子実の肥大によいとされています。

他にはない独自のあゆみ

佐用町は古くから味噌づくりがさかんな地域として知られ、加工に適した大豆への関心がとりわけ高い地域でもありました。昭和50年代後半には、水田転作作物として大豆を選択しており、以来もち大豆の栽培に力を入れています。近隣の他県でももち大豆自体は栽培されていたものの、他地域に同じ特性を持つものが存在していなかったため、佐用町独自の系統として「佐用もち大豆」と呼ばれるように。そしてついに令和元年5月、農林水産物や食品を地域ブランドとして保護する国の地理的表示(GI)保護制度に登録されました。

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