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2021.04.01 風土を「知って、活かす」播磨の農業


風土を「知って、活かす」播磨の農業のイメージ

作物を育む土の「深さ」

山田錦などの酒米や、味噌や醤油の原料となる大豆や小麦など、さまざまな農作物の栽培に恵まれた風土を持つ播磨地域。それは気候の寒暖差や、良質な粘土質の土壌を持つだけでなく、作物が育つ土の層、いわゆる「作土層」が非常に深いことも特徴です。一般的には20~25㎝程度と言われるところ、播磨では80〜90㎝という深さの地域もあると言われています。長く伸びた根が、地下深くにある水や肥料を良く吸収し、美味しくて良質な作物を育むのです。

新時代に適した品種の開発

時代が進むにつれ、気候風土も移りゆきます。中でも地球温暖化は大きな変化のひとつ。酒米となる「山田錦」は、開花後に25度以上の気温が20日ほど続くと、生育と玄米の品質に影響を与えると言われています。そこで、近年では温暖化条件下でも高品質な新品種が開発されている。その中でも「兵庫錦」は山田錦を種子親に持ち、心拍発言など形質で山田錦とよく類似した特性を持っています。同様に大豆もさまざまな改良がなされ、激しい気象変動にも耐えられる新しい品種が開発されています。

播磨の多様性を最新技術で知る

砂地の多い地域では排水の良さを活用した小豆の栽培、また揖保川の伏流水が持つ豊富なミネラルを発酵に役立たせる醤油づくりなど、異なる気候や風土を生かしたものづくりが行われている播磨。さらに今、それは上空にドローンを飛ばし田畑を俯瞰することで、特徴を細かに発掘。より地域性を特徴づけようとする研究が行なわれています。土地を生かした栽培方法を細かく探ることができ、播磨の持つテロワール(土地の個性)をより特徴づけることにつながるのです。

豊かな地域をつくるために

「テロワール」を定義づける上で、根拠が科学的に検証されていることが重要。そこで、昔から培われた知恵や工夫を生かしながら、最新の機材や研究から新たな品種や製品を生み、次の世代へとつなげていく。そんな取り組みが、現在熱心に行なわれています。土地ごとによる気候や水、土の違いを詳細に知り、その土地に合った作物を選び、育てる。より播磨の豊かな地域づくりにもつながっていくのです。

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